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Kalraの怪談

第48章 四十八夜目:サワギリさん

☆☆☆
 次の日、Aが死んだのです。
 昼休みが終わっても教室に戻らないAを探していた先生が、校舎裏で死んでいるAを発見したのです。
 状況から考えるに、屋上からの飛び降り自殺だと思われました。
 Aの友達として、私とB、Cは警察から話を聞かれました。私は特に何も言わなかったのですが、後からCに聞いたところ、Cは警察にサワギリさんの話をしたようでした。Cとしては、Aがサワギリさんに殺された、と言いたかったようですが、当然、大人はそれを信じるわけがありません。今から思えば、むしろ、Aが自分の『お呪い』のせいでR子が死んでしまったと気に病んで自殺した、という証拠として見られてしまったのでしょう。
 結局、Aの死はそのまま自殺として処理されました。
 当然、サワギリさんの話は取り沙汰されることはありませんでした。

☆☆☆
 しかし、私達はAの話を聞いていたので、怖くなりました。Aの言う通り、サワギリさんは本当にいるんじゃないかと考えたのです。
 私は言いました「R子を殺した犯人が憎くはないですか」と。
 犯人とはなんでしょう?直接殺したサワギリさんでしょうか、それとも、
 サワギリさんに『お願い』をした、Aだということでしょうか?
 私の『お呪い』が、Aを殺したのでしょうか?
 今となってはわからないことです。
 
 ただ、Aは確かに言いました。
 『笑い声が聞こえた』
 と。

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