Kalraの怪談
第6章 六夜目:つくり話
【つくり話】
A子は作り話が好きだった。
光が写り込んだり、手足がないように見える写真を『心霊写真』などと言って友達に見せたり、自分で作った心霊話を話して聞かせて、友達を怖がらせていた。
そして、最後にいつも、
「この写真、(もしくは、『このお話』)ホントやばいから、みんな必ず私の言うとおりにしてね」
と言って、経文を唱えさせたり、持っている仏の絵が入っているという財布で頭や肩をぽんぽんしたりして
「これで大丈夫!」
と言って、笑うのだった。
A子はちょっと顔が良かったので、男子たちにも人気があり、部活帰りなどに、男子たちに囲まれて怖い話を披露したりしていた。
ちなみに、A子の話が彼女の創作、『作り話』だと知っているのはたぶん私だけだった。
私はA子とはずっと学校が一緒で、昔からよく知っている。A子は良くも悪くも注目をあびるのが好きな子だった。
A子の話は実害があるわけではないので、特に仲が良かったわけではない私は、A子の作り話を放置していた。
ただ、今にして思えば、あの時だけは止めればよかった。
あの日、A子はいつものように、クラスメート数人に取り囲まれて怖い話をしていた。最後に「この話ホントやばいからさ、」
というセリフもいつもどおりだった。
ただ、その日、ちょっと違ったのは、隣のクラスのB子がいた事だった。
B子は多分、A子をちょっと妬んでいたんだと思う。B子も可愛い感じの子だったが、そんなに注目されるようなところはなかった。
何より、その時B子が好ましく思っていたC君が、A子の話を面白がって聞いていたのが気に入らなかったのだろう。
B子はA子が言ったお祓いの方法を否定した。
「そんなやり方で霊なんか落ちないって。その話もネットでよくあるやつだよね〜。」
私はA子がどんな話をしていたのか分からなかったし、A子が提案したお祓いの方法についても聞き取れなかった。
しかし、A子は「でも、・・・危ないよ」といつになく狼狽していた。
そんなにこだわらなくても、別に作り話なんだから「あ、そう」で良さそうなものなのにな、と傍らで聞いていた私は思っていた。
A子は作り話が好きだった。
光が写り込んだり、手足がないように見える写真を『心霊写真』などと言って友達に見せたり、自分で作った心霊話を話して聞かせて、友達を怖がらせていた。
そして、最後にいつも、
「この写真、(もしくは、『このお話』)ホントやばいから、みんな必ず私の言うとおりにしてね」
と言って、経文を唱えさせたり、持っている仏の絵が入っているという財布で頭や肩をぽんぽんしたりして
「これで大丈夫!」
と言って、笑うのだった。
A子はちょっと顔が良かったので、男子たちにも人気があり、部活帰りなどに、男子たちに囲まれて怖い話を披露したりしていた。
ちなみに、A子の話が彼女の創作、『作り話』だと知っているのはたぶん私だけだった。
私はA子とはずっと学校が一緒で、昔からよく知っている。A子は良くも悪くも注目をあびるのが好きな子だった。
A子の話は実害があるわけではないので、特に仲が良かったわけではない私は、A子の作り話を放置していた。
ただ、今にして思えば、あの時だけは止めればよかった。
あの日、A子はいつものように、クラスメート数人に取り囲まれて怖い話をしていた。最後に「この話ホントやばいからさ、」
というセリフもいつもどおりだった。
ただ、その日、ちょっと違ったのは、隣のクラスのB子がいた事だった。
B子は多分、A子をちょっと妬んでいたんだと思う。B子も可愛い感じの子だったが、そんなに注目されるようなところはなかった。
何より、その時B子が好ましく思っていたC君が、A子の話を面白がって聞いていたのが気に入らなかったのだろう。
B子はA子が言ったお祓いの方法を否定した。
「そんなやり方で霊なんか落ちないって。その話もネットでよくあるやつだよね〜。」
私はA子がどんな話をしていたのか分からなかったし、A子が提案したお祓いの方法についても聞き取れなかった。
しかし、A子は「でも、・・・危ないよ」といつになく狼狽していた。
そんなにこだわらなくても、別に作り話なんだから「あ、そう」で良さそうなものなのにな、と傍らで聞いていた私は思っていた。