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Kalraの怪談

第49章 四十九夜目:鬼の宿

夕食の話の中で、ひいおばあちゃんがBさんの大学での専攻を聞いて、そう言えば、と、
「このあたりには、『鬼の宿』っちゅう話がある」
と言い出した。Bさんは民俗学の中でも妖怪や怪異についての研究をしていたので、この話に非常に興味を持ったようで、ぜひ話を聞きたいということになった。
ただ、その日はずいぶん遅くになったので、その話の詳細を聞けずに場がお開きになってしまった。

このとき、本当は、実家におじゃまするのは1泊だけの予定だったのだが、Bさんがどうしても『鬼の宿』の話を聞きたいといったことで、もう1泊延長することになった。Bさんにとっては、いわゆる民俗採集というやつができるチャンスだったのだ。ひいおばあちゃんも快諾してくれて、結局、2泊目の夕方、離れでBさんがひいおばあちゃんの話を聞くことになった。A君も同席を申し出たが、「きちんと話を聞けなくなるといけないから」という理由でBさんに断られてしまった。

Bさんが民俗採集をしている間、A君は母屋で母親と話していたらしい。母親に「鬼の宿ってどういう話か知っているか?」と聞くと、母親は若干顔を曇らせながらこんな話しをしてくれた。

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