
Kalraの怪談
第54章 五十四夜目:鉄箸の呪い
「任意同行での取り調べには限界があるからな。Hさんもさすがに焦っていたと思うが、奴は全く尻尾を出さない。薄ら笑いを浮かべながら余裕の表情をしていやがった」
3回ほど任意同行をかけたが、有用な証言も証拠も結局引き出せなかった。
「ただ、話を聞けば聞くほど、Tは人を人とも思わない、とんでもない奴だってことだけがわかったんだ」
Tの取り調べでの発言はひどいものだった。亡くなった被害者を尊厳を踏みにじるような発言をしたり、遺族をばかにするようなことも平気で言ってのけた。
「さすがの温情派のHさんも、だいぶ頭にきていたようだったな」
今回の事件の被害者の話も聴いていたHさんは、取調べ中、珍しく感情的になりそうになっていたという。もちろんベテラン刑事なだけあって、大声を出すなどはしなかったが、取り調べが終わったあと、一人更衣室の壁を殴りつけていたりはしたようだった。
「そして、もう取調べで聞くことがなくなったとき、それがわかったのか、Tが不敵に笑いながら、こんな話しをしはじめやがったんだ」
3回ほど任意同行をかけたが、有用な証言も証拠も結局引き出せなかった。
「ただ、話を聞けば聞くほど、Tは人を人とも思わない、とんでもない奴だってことだけがわかったんだ」
Tの取り調べでの発言はひどいものだった。亡くなった被害者を尊厳を踏みにじるような発言をしたり、遺族をばかにするようなことも平気で言ってのけた。
「さすがの温情派のHさんも、だいぶ頭にきていたようだったな」
今回の事件の被害者の話も聴いていたHさんは、取調べ中、珍しく感情的になりそうになっていたという。もちろんベテラン刑事なだけあって、大声を出すなどはしなかったが、取り調べが終わったあと、一人更衣室の壁を殴りつけていたりはしたようだった。
「そして、もう取調べで聞くことがなくなったとき、それがわかったのか、Tが不敵に笑いながら、こんな話しをしはじめやがったんだ」
