
Kalraの怪談
第57章 五十七夜目:取りかえっ子
私が『アレ』を見た、その夜、近所で火事がありました。
消防車や救急車がたくさん来ました。父が野次馬で見に行ったものですから、母もついていき、結果的に私もいっしょに行く羽目になりました。
最初はどこの家かわからなかったのですが、すぐに、それがKさんの家だと知れました。
たくさんの消防士が消火活動をしている中、父のような野次馬がたくさん集まっていました。
私も最初は火の勢いに圧倒されて呆然と見ていたのですが、子どもだったということもあり、父や母よりも早く飽きてしまいました。キョロキョロと周りを見ていたのです。
そこであの子を見つけてしまいました。
皆が皆、火を吹いている家の方を見ている中、その子はじっとこっちを見ていたので、とても異質でした。炎の明かりに赤く照らされて、表情までは見えませんでしたが、まっすぐ私を見ていたのだけがわかりました。私はぎゅっと母にしがみつきました。
母はその様子を火事を怖がっているのだと思ったのだと思います。
父にもう帰ろうと言ってくれ、私達はそこから離れることになりました。
離れる時、私はどうしても気になって、後ろを振り返ってしまったのです。すると、あの子が、Kさんではない夫婦の間に入って、両の手を繋がれながら帰る様子が見えました。
私が目を見開いていると、ふと、その子が振り返ったのです。
そして、また、笑いました。
消防車や救急車がたくさん来ました。父が野次馬で見に行ったものですから、母もついていき、結果的に私もいっしょに行く羽目になりました。
最初はどこの家かわからなかったのですが、すぐに、それがKさんの家だと知れました。
たくさんの消防士が消火活動をしている中、父のような野次馬がたくさん集まっていました。
私も最初は火の勢いに圧倒されて呆然と見ていたのですが、子どもだったということもあり、父や母よりも早く飽きてしまいました。キョロキョロと周りを見ていたのです。
そこであの子を見つけてしまいました。
皆が皆、火を吹いている家の方を見ている中、その子はじっとこっちを見ていたので、とても異質でした。炎の明かりに赤く照らされて、表情までは見えませんでしたが、まっすぐ私を見ていたのだけがわかりました。私はぎゅっと母にしがみつきました。
母はその様子を火事を怖がっているのだと思ったのだと思います。
父にもう帰ろうと言ってくれ、私達はそこから離れることになりました。
離れる時、私はどうしても気になって、後ろを振り返ってしまったのです。すると、あの子が、Kさんではない夫婦の間に入って、両の手を繋がれながら帰る様子が見えました。
私が目を見開いていると、ふと、その子が振り返ったのです。
そして、また、笑いました。
