
Kalraの怪談
第58章 五十八夜目:呪いの代償
☆☆☆
その一報は、アパートの大家から入った。隣の部屋から異臭がすると騒ぎになり、『そう言えば、何日もその異臭がする部屋の家主を見ていない』ということで110番通報が入ったのだ。
交番の警察官が駆けつけ、大家の合鍵で戸を開けると、案の定、死後1週間は経っているご遺体があった。夏場だったので腐敗が進み、締め切っていたせいもあり、その臭いたるやものすごいものがあった。
「まあ、ご遺体はウジとハエまみれだった。ひでえもんだ」
「先輩、今、俺たち食事中っス」
「馬鹿野郎!こういう話をしながら焼き肉食えてこその刑事だ」
「先輩・・・」
刑事課らしい先輩だ・・・。
話を続ける。
すぐに刑事課に連絡が入り、当時下っ端だった先輩を含めた刑事数人と鑑識係が急行した。
ご遺体の検死が済み、事件性を特定するための捜査が本格的に始まった。検死の結果、どうも外傷はない。2DKの間取りの寝室に使っている部屋のベッドの上で仰向けに亡くなっている状況から見て、病死が最も疑われた。
それでも一応捜査をするためにあらかた部屋を調べたとき、先輩が、書斎兼居間として使っていたような形跡のある隣部屋で一冊のノートを見つけた。
ノートはおそらく亡くなった家主が日記帳として使っていたもののようだった。
「この日記っていうのが奇妙でな・・・」
その一報は、アパートの大家から入った。隣の部屋から異臭がすると騒ぎになり、『そう言えば、何日もその異臭がする部屋の家主を見ていない』ということで110番通報が入ったのだ。
交番の警察官が駆けつけ、大家の合鍵で戸を開けると、案の定、死後1週間は経っているご遺体があった。夏場だったので腐敗が進み、締め切っていたせいもあり、その臭いたるやものすごいものがあった。
「まあ、ご遺体はウジとハエまみれだった。ひでえもんだ」
「先輩、今、俺たち食事中っス」
「馬鹿野郎!こういう話をしながら焼き肉食えてこその刑事だ」
「先輩・・・」
刑事課らしい先輩だ・・・。
話を続ける。
すぐに刑事課に連絡が入り、当時下っ端だった先輩を含めた刑事数人と鑑識係が急行した。
ご遺体の検死が済み、事件性を特定するための捜査が本格的に始まった。検死の結果、どうも外傷はない。2DKの間取りの寝室に使っている部屋のベッドの上で仰向けに亡くなっている状況から見て、病死が最も疑われた。
それでも一応捜査をするためにあらかた部屋を調べたとき、先輩が、書斎兼居間として使っていたような形跡のある隣部屋で一冊のノートを見つけた。
ノートはおそらく亡くなった家主が日記帳として使っていたもののようだった。
「この日記っていうのが奇妙でな・・・」
