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Kalraの怪談

第60章 六十夜目:六十夜目の怪

☆☆☆
【寝入りばな】

先日、寝入りばなに体験したこと

寝室で一人掛け布団を引きよせ、
さあ寝ようというとき

カサリ・・・

足元で衣擦れの音がした

最初は気のせいかと思っていたが
しばらくすると、また

カサリ・・・

と確かに音がする
不気味に思い、足で探ってみるが、
特に何がいるわけでもない
そもそも、家には自分一人しかいない

やはり気のせいか・・・

怖さを紛らわすために
わざと大きめに寝返りを打ってみる

そうすると、余計に背後に何かがいるような気がしてならない
このままじゃ眠れない、と思い、
思い切って目を開けてみることにした

見回ると、ただ暗闇が広がるばかり
やはり気のせいか、と思い
そのままもう一度布団に潜り込む

布団を少し引き、顔を出したとき
ふと耳元で
「ねえ・・・こっち見て・・・」
と聞こえた

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