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Kalraの怪談

第13章 十三夜目:図書館の本

【図書館の本】

その日、僕は同僚のAと一緒に会社近くの行きつけの飲み屋で酒を呑んでいた。
Aとは入社が同じ日であったこともあり、会社の中でも仲の良い友人の一人だった。

あのとき、なんであんな話になったのか、よく覚えていないが、
確か僕が
「お前も少しは本読んだらどうだ」
みたいなことを言ったのがきっかけだったと思う。

もともと、Aは頭はいいが、あまり本を読まないやつだった。
一方、僕は読書好きだったのだ。

話の中でAは、
「俺、もともと読書好きだったんだぜ。
 なんで、その俺が本を読まなくなったかというと・・・」
と言うので、
「面倒だからだろ?」
僕はすかさず茶々を入れる。

「違うって」
ふとAは真面目な顔をし、不思議な話をし始めた

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