
Kalraの怪談
第13章 十三夜目:図書館の本
☆☆☆
Aは小学校頃、たしかに読書好きだった。学校の図書館が好きで、よく入り浸っては、シリーズ物の冒険小説や子供向けの文学書を借りて読んでいたらしい。
ある時、当時有名だった5巻シリーズ物のミステリ小説を借りたときのことだった。Aはあるページが折り曲げられていたのに気づいた。
Aは本が好きなだけあって、本を大事にしない子がいることに腹を立てたという。
Aはページの折り目を直し、本を読み始めた。そして、そのページに来たときに、ふと奇妙なことに気づいた。折り目を直したときには気が付かなかったが、ページの文章に鉛筆で薄く線が引かれている・・・
ミステリ小説を読むのに、線を引くなんて・・・
推理に必要な箇所に線を引いたのか。ひょっとしたら、結末を見た子が、ヒントになるところに線を引いたのかもしれない。
そうだとしたら台無しだ・・・
そう思いながら、その線を見ていたが、おかしなことに、それはまとまった文章に引かれた線ではなく、一文字ないしは二文字にしか引かれていない。
Aはそのページに引かれた線に沿って字を読んでみた。
『ころ・・・・さ・・・・れ・・・・る』
ー殺される?
読み上げてから、Aはドキッとした。
どういう意味だろう?
ただ、そのときは、誰かのイタズラだろうと思い、そんなに気にしなかったらしい。
そうして、二巻を借りた。
二巻にもまた折り目がついていた。
今度はそこのページを先に見てみた。やはり線が引いてある。
『とじ・・・こめ・・・・られて・・・いる・・・』
ー閉じ込められている
気味の悪いセリフだった。
殺される、閉じ込められている・・・
誰かがからかっているのだろうか?
Aはその本を読み終わり、次の三巻を手にした。四巻はすでに貸出中だった。
三巻を見ると、やはり折れているページがある。そこには果たして同じように線が引かれていた。
『早く・・・時間・・・・が・・・ない・・・もう・・・だ・・め・・・だ』
ー早く時間がないもうダメだ
Aはなんだか気味が悪くなり、そのシリーズを借りるのをやめた。
そんなことがあったのち、しばらくして、学校で緊急朝会が開かれた。
校長先生は全校生徒に向かって、淡々とその事実を述べた。
「4年3組のT中Y生くんが、昨夜亡くなりました」と。
Aは小学校頃、たしかに読書好きだった。学校の図書館が好きで、よく入り浸っては、シリーズ物の冒険小説や子供向けの文学書を借りて読んでいたらしい。
ある時、当時有名だった5巻シリーズ物のミステリ小説を借りたときのことだった。Aはあるページが折り曲げられていたのに気づいた。
Aは本が好きなだけあって、本を大事にしない子がいることに腹を立てたという。
Aはページの折り目を直し、本を読み始めた。そして、そのページに来たときに、ふと奇妙なことに気づいた。折り目を直したときには気が付かなかったが、ページの文章に鉛筆で薄く線が引かれている・・・
ミステリ小説を読むのに、線を引くなんて・・・
推理に必要な箇所に線を引いたのか。ひょっとしたら、結末を見た子が、ヒントになるところに線を引いたのかもしれない。
そうだとしたら台無しだ・・・
そう思いながら、その線を見ていたが、おかしなことに、それはまとまった文章に引かれた線ではなく、一文字ないしは二文字にしか引かれていない。
Aはそのページに引かれた線に沿って字を読んでみた。
『ころ・・・・さ・・・・れ・・・・る』
ー殺される?
読み上げてから、Aはドキッとした。
どういう意味だろう?
ただ、そのときは、誰かのイタズラだろうと思い、そんなに気にしなかったらしい。
そうして、二巻を借りた。
二巻にもまた折り目がついていた。
今度はそこのページを先に見てみた。やはり線が引いてある。
『とじ・・・こめ・・・・られて・・・いる・・・』
ー閉じ込められている
気味の悪いセリフだった。
殺される、閉じ込められている・・・
誰かがからかっているのだろうか?
Aはその本を読み終わり、次の三巻を手にした。四巻はすでに貸出中だった。
三巻を見ると、やはり折れているページがある。そこには果たして同じように線が引かれていた。
『早く・・・時間・・・・が・・・ない・・・もう・・・だ・・め・・・だ』
ー早く時間がないもうダメだ
Aはなんだか気味が悪くなり、そのシリーズを借りるのをやめた。
そんなことがあったのち、しばらくして、学校で緊急朝会が開かれた。
校長先生は全校生徒に向かって、淡々とその事実を述べた。
「4年3組のT中Y生くんが、昨夜亡くなりました」と。
