
Kalraの怪談
第15章 十五夜目🌕️:つたえてさん
要は電話から電話に午前2時に次々と謎の『ある言葉』が伝わるって都市伝説ってわけか。
「それだけ?」
俺は正直な感想を述べた。
「うん、それだけ」
「なんだそりゃ」
「うーん、私は思うに、これって縁を辿っているんだと思うんだよね。
スマホの連絡帳って、みんながみんなちゃんとした知り合いじゃないじゃない?
その縁を辿って『何か』が移動してるんだよ。
そう考えると怖くない?
その『何か』はきっと『どこか』を目指してるんだよ」
「どこかって、どこだよ」
「もう一つ、つたえてさんについての話があるの
実は、このつたえてさんの大本は、さっきの集団自殺だって話」
「どういうこと?」
「ある時、4人で集団自殺をしようとしたとき、
一人、最後に逃げ出した人がいたの」
俺はどきりとした。
・・・偶然だろう・・・
心なしかミキの声音が落ちている気がする。
「その逃げた人は、みんなで飲もうと言って分け合った睡眠薬を、一人だけちゃんと飲まなかったのね。
怖くなったみたいなの。
それで、みんなが寝付いたあと、一人だけ、逃げた」
心臓が早鐘のようになる。
喉がカラカラになる。
そう、俺は逃げたんだ。
でも、それをミキが知るわけがない。
警察さえ知らないことだ。
「実は、その逃げた人は知らなかったんだけど、その後、もう一人目を覚ました人がいたの。
その人は、一人逃げた人がいたのに気づいて、自分も死ぬことが急に怖くなったのね。
でも、睡眠薬が効いていて、うまく体が動かない。
やっと、スマホで知り合いに発信した。」
「本当は、きっと、その逃げた人に伝えたかったんだと思うけど、赤の他人同士だから、電話番号知らなかったのね。
もちろん、その時、電話したのは全然関係のないただの友達」
「その時はもう練炭の一酸化炭素が充満して、意識がなくなる寸前だったの。
ろれつが回らない中で、それでも、必死に伝えようとしたの、
その『ある言葉』を」
「結局その人は他の二人と一緒に死んでしまったけれど、
その『ある言葉』だけは、縁を辿って探し回っているのよ。
その、『逃げた人』を・・・」
ミキはぐっと声を低めて強調した。
時間は午前2時に差し掛かろうとしている。
「それだけ?」
俺は正直な感想を述べた。
「うん、それだけ」
「なんだそりゃ」
「うーん、私は思うに、これって縁を辿っているんだと思うんだよね。
スマホの連絡帳って、みんながみんなちゃんとした知り合いじゃないじゃない?
その縁を辿って『何か』が移動してるんだよ。
そう考えると怖くない?
その『何か』はきっと『どこか』を目指してるんだよ」
「どこかって、どこだよ」
「もう一つ、つたえてさんについての話があるの
実は、このつたえてさんの大本は、さっきの集団自殺だって話」
「どういうこと?」
「ある時、4人で集団自殺をしようとしたとき、
一人、最後に逃げ出した人がいたの」
俺はどきりとした。
・・・偶然だろう・・・
心なしかミキの声音が落ちている気がする。
「その逃げた人は、みんなで飲もうと言って分け合った睡眠薬を、一人だけちゃんと飲まなかったのね。
怖くなったみたいなの。
それで、みんなが寝付いたあと、一人だけ、逃げた」
心臓が早鐘のようになる。
喉がカラカラになる。
そう、俺は逃げたんだ。
でも、それをミキが知るわけがない。
警察さえ知らないことだ。
「実は、その逃げた人は知らなかったんだけど、その後、もう一人目を覚ました人がいたの。
その人は、一人逃げた人がいたのに気づいて、自分も死ぬことが急に怖くなったのね。
でも、睡眠薬が効いていて、うまく体が動かない。
やっと、スマホで知り合いに発信した。」
「本当は、きっと、その逃げた人に伝えたかったんだと思うけど、赤の他人同士だから、電話番号知らなかったのね。
もちろん、その時、電話したのは全然関係のないただの友達」
「その時はもう練炭の一酸化炭素が充満して、意識がなくなる寸前だったの。
ろれつが回らない中で、それでも、必死に伝えようとしたの、
その『ある言葉』を」
「結局その人は他の二人と一緒に死んでしまったけれど、
その『ある言葉』だけは、縁を辿って探し回っているのよ。
その、『逃げた人』を・・・」
ミキはぐっと声を低めて強調した。
時間は午前2時に差し掛かろうとしている。
