
Kalraの怪談
第20章 二十夜目:坂道
それでも数分は我慢していたが、思い余ってBに車を止めて欲しいと言った。
「なんでだ?早くしないと・・・行っちゃうだろう?」
Bの言葉の意味が少しわからなかった。行っちゃうとはどういう意味だろうか?いよいよ気味が悪くなってきたAは助手席のC子に声をかけた。
「これどの辺なの?」
しかし、C子からの返事はなかった。聞こえてなかったのかと、不思議に思ってもう一度声をかけようとすると、Bが
「『サカ』だよ」
と言った。何坂だよ、とAは思いながら外を見る。外はますます暗くなっているようだった。山だから日が落ちるのが早く感じるのだろうか?
Aは更にそわそわしだし、Bに再度車を停めるように言った。気分が悪くなったーと嘘をついた。
Bは渋々といった感じでやっと車を止めてくれた。車から降りると幾分ホッとした。車の進行方向を見ると真っ暗で、いま来た道、坂の上は若干明るい気がした。
この時、なぜかわからないけど、Aは『あっちに戻らなければいけない』と強く思った。
なので、Aはフラフラと坂を登り始めた。すると、Bが
「お前、一人でどこ行く気だ!?」
と声をかけてきた。
『ああ、確かに、こんな山の中で一人で歩いていたら危ないよなー・・・』
そう思い、振り返ると、C子が車の脇に立っているのが見えた。しかし、妙なことに顔が見えない。顔のところがまるでモザイクがかかったような、放送が終わったあとのTVの砂嵐のような状態になっている。目をこすってみてみたが、同じだった。戸惑っていると、Bが運転席から降りてきた。
「おい、早く・・・」
降りてきたBを見て、息が止まりそうになる。Bの首が90度横に折れ曲がっていた。
Aは『ヒッ』と声にならない悲鳴を上げ、坂を駆け上り始めた。後ろからD子が追いかけてくる。D子は右手を振り回しながらAを捕まえようとする。振り返ると、寸でのところで追いつかれそうなところまで走ってきていた。Aはもつれる足を必死に立て直して、走った。息が切れて、もう走れない・・・と思った。
Aが、目を覚ましたのはこの瞬間だった。
「なんでだ?早くしないと・・・行っちゃうだろう?」
Bの言葉の意味が少しわからなかった。行っちゃうとはどういう意味だろうか?いよいよ気味が悪くなってきたAは助手席のC子に声をかけた。
「これどの辺なの?」
しかし、C子からの返事はなかった。聞こえてなかったのかと、不思議に思ってもう一度声をかけようとすると、Bが
「『サカ』だよ」
と言った。何坂だよ、とAは思いながら外を見る。外はますます暗くなっているようだった。山だから日が落ちるのが早く感じるのだろうか?
Aは更にそわそわしだし、Bに再度車を停めるように言った。気分が悪くなったーと嘘をついた。
Bは渋々といった感じでやっと車を止めてくれた。車から降りると幾分ホッとした。車の進行方向を見ると真っ暗で、いま来た道、坂の上は若干明るい気がした。
この時、なぜかわからないけど、Aは『あっちに戻らなければいけない』と強く思った。
なので、Aはフラフラと坂を登り始めた。すると、Bが
「お前、一人でどこ行く気だ!?」
と声をかけてきた。
『ああ、確かに、こんな山の中で一人で歩いていたら危ないよなー・・・』
そう思い、振り返ると、C子が車の脇に立っているのが見えた。しかし、妙なことに顔が見えない。顔のところがまるでモザイクがかかったような、放送が終わったあとのTVの砂嵐のような状態になっている。目をこすってみてみたが、同じだった。戸惑っていると、Bが運転席から降りてきた。
「おい、早く・・・」
降りてきたBを見て、息が止まりそうになる。Bの首が90度横に折れ曲がっていた。
Aは『ヒッ』と声にならない悲鳴を上げ、坂を駆け上り始めた。後ろからD子が追いかけてくる。D子は右手を振り回しながらAを捕まえようとする。振り返ると、寸でのところで追いつかれそうなところまで走ってきていた。Aはもつれる足を必死に立て直して、走った。息が切れて、もう走れない・・・と思った。
Aが、目を覚ましたのはこの瞬間だった。
