自殺紳士
第3章 Vol.3:9歳の少年
ある時
ボクは、辞めたくなった
「ボク」を辞めたくなった
ボクは、ボクを辞めたかったけれど
どうしたら良いかわからなかった
ここから逃げ出せばいいのだろうか
明日、学校に行かなければいいのだろうか
それとも、眠たまま目を覚まさなければいいのだろうか
「眠ったまま目を覚まさない」
というのは
とても魅力的だった
ずっと眠っていたかったのだ
何十時間も、休みたかった
そんなことをぼんやり考えながら
ジュクへの道を歩いていた
今日はジュクのテストだった
90点以上が「目標」だった
でも、勉強していない
ガシッと ボクは突然腕を掴まれた
驚いて振り向くと、真っ黒いスーツを着た男の人が
ボクの腕を掴んでいる
男の人は優しそうな顔をしていた
誰だろう、と思った時、
ボクは、自分が歩道から
車がビュンビュン走っている車道に
踏み出そうとしていたことに気がついた
「危ないよ」
男の人はボクに言った
なんだか掴まれたところが
とても温かかった
ボクは、辞めたくなった
「ボク」を辞めたくなった
ボクは、ボクを辞めたかったけれど
どうしたら良いかわからなかった
ここから逃げ出せばいいのだろうか
明日、学校に行かなければいいのだろうか
それとも、眠たまま目を覚まさなければいいのだろうか
「眠ったまま目を覚まさない」
というのは
とても魅力的だった
ずっと眠っていたかったのだ
何十時間も、休みたかった
そんなことをぼんやり考えながら
ジュクへの道を歩いていた
今日はジュクのテストだった
90点以上が「目標」だった
でも、勉強していない
ガシッと ボクは突然腕を掴まれた
驚いて振り向くと、真っ黒いスーツを着た男の人が
ボクの腕を掴んでいる
男の人は優しそうな顔をしていた
誰だろう、と思った時、
ボクは、自分が歩道から
車がビュンビュン走っている車道に
踏み出そうとしていたことに気がついた
「危ないよ」
男の人はボクに言った
なんだか掴まれたところが
とても温かかった