自殺紳士
第3章 Vol.3:9歳の少年
その男の人は不思議な人で
ボクがジュクに行くまで送ってくれた
ボクがまた、道路に飛び出さないか心配だというのだ
ボクを何処かに連れて行こうというわけではなさそうだったし、
ただついてくるだけなので、
ボクは別に誰にも何も言わなかった
それ以来、その男の人は、なんだかよく会うようになった
学校の帰りに声をかけられたり
ジュクに行くときに会ったり
昼間でも、夜でも、よくその人に会うようになった
会っても別に何を話すわけではなかった
男の人は挨拶をして、
「元気?」
とか、言うのだ
ボクは別に元気ではなかったので
「あんまり」
と答えた
男の人は
「それはいけないね」等と言う
あるとき、ボクは、その男の人に、
ボクの気持ちを話した
「ボク、ずっと眠ったままになりたいんだ」
誰にも言わなかったのだけど、この男の人には言っても良さそうだと思った
きっと、他の人に言ったら、びっくりして大騒ぎしそうだと思うから
なんでかわからないけど、
この男の人は、そうはならないと思った
「知っていたよ」
男の人はボクの頭に手をおいた。
「知っていたから、来たんだよ」
ボクがジュクに行くまで送ってくれた
ボクがまた、道路に飛び出さないか心配だというのだ
ボクを何処かに連れて行こうというわけではなさそうだったし、
ただついてくるだけなので、
ボクは別に誰にも何も言わなかった
それ以来、その男の人は、なんだかよく会うようになった
学校の帰りに声をかけられたり
ジュクに行くときに会ったり
昼間でも、夜でも、よくその人に会うようになった
会っても別に何を話すわけではなかった
男の人は挨拶をして、
「元気?」
とか、言うのだ
ボクは別に元気ではなかったので
「あんまり」
と答えた
男の人は
「それはいけないね」等と言う
あるとき、ボクは、その男の人に、
ボクの気持ちを話した
「ボク、ずっと眠ったままになりたいんだ」
誰にも言わなかったのだけど、この男の人には言っても良さそうだと思った
きっと、他の人に言ったら、びっくりして大騒ぎしそうだと思うから
なんでかわからないけど、
この男の人は、そうはならないと思った
「知っていたよ」
男の人はボクの頭に手をおいた。
「知っていたから、来たんだよ」