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自殺紳士
第5章 Vol.5:底辺の人
そんな生活が10年以上続いて
僕は
疲れた
どんなふうに働いても、
どんなことをしても
僕は僕で
僕以外にはなれなくて
それはこの世の一番底辺だった
今、底辺にいることが恐ろしいというより
今後も、ずっとここにいなければいけないことの方が
ものすごく怖かった
何を恨めばいいのだろう?
僕を置いて出ていった父か?
僕の世話を出来なかった母か?
僕に何も教えなかった先生か?
いつだったか、僕を捕まえた警察官か?
幸せそうに笑っている、僕じゃない人か?
僕は、包丁を握る
これで自分を刺せば
全て終わりになるのだろうか
でも
それじゃあ、
僕の 僕の 生きていたことはどうなる
だれも、僕を知らない
誰も僕を覚えない
誰も僕のことを考えることもしない
こんなにも頑張ったのに、
こんなにも懸命だったのに
何者でもない僕の心は
誰にも聞かれることはない
絶望という言葉がこれほどピッタリな現実があるだろうか
巨大な『社会』というナニカに、踏み潰されていく
そんなことを思うと、いてもたってもいられなかった
僕は
疲れた
どんなふうに働いても、
どんなことをしても
僕は僕で
僕以外にはなれなくて
それはこの世の一番底辺だった
今、底辺にいることが恐ろしいというより
今後も、ずっとここにいなければいけないことの方が
ものすごく怖かった
何を恨めばいいのだろう?
僕を置いて出ていった父か?
僕の世話を出来なかった母か?
僕に何も教えなかった先生か?
いつだったか、僕を捕まえた警察官か?
幸せそうに笑っている、僕じゃない人か?
僕は、包丁を握る
これで自分を刺せば
全て終わりになるのだろうか
でも
それじゃあ、
僕の 僕の 生きていたことはどうなる
だれも、僕を知らない
誰も僕を覚えない
誰も僕のことを考えることもしない
こんなにも頑張ったのに、
こんなにも懸命だったのに
何者でもない僕の心は
誰にも聞かれることはない
絶望という言葉がこれほどピッタリな現実があるだろうか
巨大な『社会』というナニカに、踏み潰されていく
そんなことを思うと、いてもたってもいられなかった
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