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自殺紳士

第7章 Vol.7:復讐の日

「だったら、他の方法でもいいじゃないですか
  復讐のために死ななくてもいいじゃないですか」

そうだ、
 馬鹿げたことに
 自分で自分が死のうとしていた理由が、
今、やっとわかった

自分の命で、あいつを殴り殺したかったのだ

ああ、でも・・・でも・・・

「そんなの馬鹿げている」
私は、ポツリと口にしていた

天井からぶら下がるロープを見る

男は手を差し伸べる
 その手の先に
ほわっとした笑顔があった

私は手を伸ばす
 やっと、誰かに手を伸ばすことができた

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