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自殺紳士

第10章 Vol.10:地下鉄の駅

【地下鉄の駅】

地下鉄の駅
 深夜0時に近づく

私は痛む頭を押さえながら、
 重い足を引きずるように歩いていた

心なしか
 視野に霞がかかるようだった

胸のあたりが苦しい
 息もよく吸えていない

頭がさっきから
 ガンガンと痛んでいる

今日、私は限界だった

 突然の命令の変更
 理不尽な上司の叱責
 些細なミスからのクレーム

何かをしていると
 何かが起きて
  その何かに対応していると
   何かが抜けてしまう

その抜けた何かで
 また怒られる

罵声、侮辱、失笑、

休みたいと言ったのはいつだったか
 休みたいという思いを諦めたのはいつだったか

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