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Lの劣情

第1章 2024年6月吉日…

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 きっとさっきのアイ先輩は、自分自身がわたしと同じパイパンであるから…
 驚きのリアクションが無かっただろう?

 だってわたしの過去に於いて、初めてこのわたしのパイパンを見た、知った男達の皆全てが驚きの声等々のリアクションを起こしてきていたのに…
 そういえばさっきのアイ先輩は、それらには全くの無反応であったから。

 そして…
 逆にわたしが驚いている様子に…

「あ…あ、あのね…
 ま、前のパートナーがね、同じ様にアレだったから…」 

 つまりはアイ先輩のパートナー…
 それはレズビアンの彼女であろう。
 その彼女がパイパンであったから、アイ先輩も同じ様にした…
 という言葉を囁いてきたのである。

「前のパートナー?」
 わたしには深い意味は無かったのだが、つい、無意識に呟いてしまった。
 
 だってもう、この時点でアイ先輩がホンモノのビアンであるという確証は得ていたのだから…
 それにこの今、一緒に愛し合っているのだから、彼女のプライベートにはさほど意識は無かったのだ。
 
「えぇ、ついこの前まではパートナーがいたのよね」
 アイ先輩はやや遠い目をして、そう呟いてきた。

 その目を見ると、おそらくは悲しい別れだったみたい…
 でも、今の、この時点でのわたしにはあまり意識は無かった。

 わたしの中では今、目の前に存在している16年振りのアイ先輩という存在感が一番であり、大切であり、ただ、ただ、こんな流れではあるのだが…
『今は彼女を、アイ先輩を愛したい、愛されたい…』
 と、いうシンプルな思いしか無かったから。

 そう、わたしはホンモノのビアンでは無いから、今の前後の事等々は関係が無いのであった…
 ただ、今、この瞬間、この時が全てなだけであり、ビアンでは無い、ただの淫靡で淫らでいやらしいメスの本能の命令に従っているというだけなのである。

「だからね…わたしもね、こんな風にね…」
 パイパンなのだろう…

 でもわたしのパイパンの意味は違う…
 もっと単純である…
 元々わたしは殆ど萌えてはいないレベルの無毛に近かったのであった。
 そしてこの陰毛だけではなく、脇毛も、いや、カラダ中の体毛も髪の毛も薄かった。

 そして2年前位であろうか、雑誌がネット等々で…
『世界のトップモデルや女優、セレブ等は今パイパンが流行っている…』
 

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