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Lの劣情

第1章 2024年6月吉日…

 26

「………………………ん…んん?………」
 わたしはふと気づき、いや、目が覚めた。

「………んっ………あっ……」
 ゆっくりとさっきまでの夢の様な情景が脳裏に浮かび、意識が徐々に醒め始めてきたのと同時に…

 ズキズキズキズキ…
 ウズウズウズウズ…
 と、奥深くが絶頂感の余韻を疼かせてきて…

「あっ…」
 慌てて隣のアイ先輩の姿を確認し…
 そして一瞬にして昨夜の、いや、ついさっきまでの全ての流れ、愛の昂ぶりが脳裏に蘇ってきたのだ。

 あ…ヤバ、寝落ちしちゃった…

 隣のアイ先輩はゆっくりとした寝息をしながら眠っており、わたしは慌てて枕元の時計を確認した。

 午前7時20分…

 うわ、多分、4時間以上寝落ちしてしまったみたい…

 そしてそんな焦りの想いで傍らのアイ先輩の穏やかな寝顔を見ていると…
 脳裏にはまるで映画の映像の如くに昨夜からの、いや、あの友人の結婚披露宴パーティーのホテルでの不意な、いいや、突然のアイ先輩との再会の場面からゆっくりと流れ始めてきたのである。

 そして…
 ドキドキが…
 ウズウズとなり…
 ドキドキ…
 とした、今、感じている絶頂感の昂ぶりの余韻までの全ての流れの記憶の映像が脳裏を走り抜け、寝顔ちしたであろう絶頂の瞬間が浮かんだタイミングで…

「ん……ぁ、うん…み、みっき………」
 まるで以心伝心の如くのタイミングで、アイ先輩が目を開いたのだ。

「ぁ、あ、アイ先輩………」
 わたしは一気に恥ずかしくなってしまう。

「あ、うん、ううん、ふぅぅ…
 私も寝ちゃったみたい…」
 と、寝起きなのに爽やかな笑顔を浮かべてアイ先輩はそう囁いてきた。

「は、はい、うん、あ、ご、ごめんなさい…」
 そしてわたしは思わず謝ってしまう。

「え、何で?…」
 するとアイ先輩は…
 何で謝ってくるの?みたいな顔で返してくる。

「あ、いや、だって…あのまま寝落ちしちゃったみたいで…」

 だけど…
 わたしばっかり感じまくって、アイ先輩を愛せなかった…



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