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キセキ

第15章 Vol.15〜沈黙の恋心

半年が経つ頃、
 やっと、趣味に時間を割く気持ちの余裕ができた。

寂しさから、社会人サークルにいくつか顔を出して、
 そのうちのひとつに定期的に通うようになった。

そして、そこで出会った女性と、
 恋に落ちた。

その人も、バツイチで
 そんな共通点もあったからかもしれない。

結婚には正直躊躇があった。
もしかしたら自分では気が付かない欠点があって、
それが相手を不快にさせていたのかもしれないとか、
 そもそも、女性に好かれないタイプなのかもとか・・・。

でも、一番は、またあんな思いをしたくないと、
 そう思ったからだった。

ある時、見るに見かねてか、同じサークル
 私よりあとに入ってきた女性が、
「好きなら結婚しちゃいなよ」
「人生一度っきゃないんだしさ!」
と言った。

そう言ってくれたことがきっかけで、
 桜の季節に、ゴールインできた。

前妻から離婚の話をされた日から、
 1年半が、過ぎていた。

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