
Injured Heart
第4章 校舎裏にて
学ランに身を包んだ大柄な高校生が、
同じ学生服の小柄な少年に掴みかかった
「高村、お前何見てるんだよ」
おそらく大柄な少年は、高村と呼ばれた少年を脅したがっていた
高村は静かな目で彼を見上げた
『武美は痛くないの?』
はあ?と間の抜けた声をあげ
武美と呼ばれた少年は、更に高村の顔に自分の顔を近づける
もうすぐキスでもしてしまいそうな位だった
それでも高村は表情を変えない
『見ていたのが嫌だったならもう見ない』
『ただ、教室で机を蹴飛ばしたとき、君の額が裂けて視えた』
ふざけるな!
一喝すると武美は高村を突き飛ばした。
軽い高村の身体は、古くなって随分と剥がれ落ちたモルタルの壁に突き当たる
気がすまなかったのか、武美は高村の胸倉を掴みあげ一発殴った
更に数発殴って、それでも尚、怒りが収まらない様子だ
武美は高村の身体を放り出し
足で砂を蹴って歩き去っていった
高村の目には 傷だらけで足を引きずる
武美の姿しか視えなかった
「高村君?」
大石が恐る恐る近づいてくる
高村は立てない
力が入らない
呼吸も上手く出来なかった
「今、保健室まで連れて行くから」
大石が動けない高村に何とか肩を貸そうとする
そのたびに高村は傷がうずいてうめき声を上げる
そして、その声を聞く度、大石の胸に傷が走る
『もう、いいから。大丈夫だから』
『お前のせいじゃないから』
高村は大石に言った
大石は涙を流していた
それでも、その胸の傷は
少しだけ小さくなっていたようだった
同じ学生服の小柄な少年に掴みかかった
「高村、お前何見てるんだよ」
おそらく大柄な少年は、高村と呼ばれた少年を脅したがっていた
高村は静かな目で彼を見上げた
『武美は痛くないの?』
はあ?と間の抜けた声をあげ
武美と呼ばれた少年は、更に高村の顔に自分の顔を近づける
もうすぐキスでもしてしまいそうな位だった
それでも高村は表情を変えない
『見ていたのが嫌だったならもう見ない』
『ただ、教室で机を蹴飛ばしたとき、君の額が裂けて視えた』
ふざけるな!
一喝すると武美は高村を突き飛ばした。
軽い高村の身体は、古くなって随分と剥がれ落ちたモルタルの壁に突き当たる
気がすまなかったのか、武美は高村の胸倉を掴みあげ一発殴った
更に数発殴って、それでも尚、怒りが収まらない様子だ
武美は高村の身体を放り出し
足で砂を蹴って歩き去っていった
高村の目には 傷だらけで足を引きずる
武美の姿しか視えなかった
「高村君?」
大石が恐る恐る近づいてくる
高村は立てない
力が入らない
呼吸も上手く出来なかった
「今、保健室まで連れて行くから」
大石が動けない高村に何とか肩を貸そうとする
そのたびに高村は傷がうずいてうめき声を上げる
そして、その声を聞く度、大石の胸に傷が走る
『もう、いいから。大丈夫だから』
『お前のせいじゃないから』
高村は大石に言った
大石は涙を流していた
それでも、その胸の傷は
少しだけ小さくなっていたようだった
