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HEAVEN~時を超えて~

第5章 真相を知らば

『・・・マコト?』


朝目覚めると隣に真の姿がない

僕の左手には、彼女と繋いでいたはずの手錠が
ぶらりと片方を残してさがっていて

背筋をひやりとした汗が伝う



ガシャガシャ…

左手の手錠をさっさと外して寝室を飛び出す



まだ明け方だ…まさか




スッ…




『・・・っ』



リビングに降りると
頬を撫でるように朝日に混じって風が舞い込む



『マコト・・・?』



真はリビングの窓を全開にして床に座り
中庭に向けて脚をブラブラさせて外を眺めていた



『?・・・・・おはよう』



『・・・・おはよ。
珍しいね…こんな時間から』



僕は動揺を隠すと共に彼女の姿を確認出来てホッとした




『・・・良い風だね。天気も良い』



真は何を話すでもなく
外を眺めて脚をブラブラさせて風に当たっている



『マコト…あまり眠れなかったの?』



少し探り探りになって
一番気がかりな事を聞いた




『・・・ううん。なんか…すごく・・・』



『うん…』



『すごく…体が…ポカポカってして…すぐ寝ちゃったような』



その記憶はきっと正しいよ

そして言い終えてから彼女はハッとしたように
顔や耳を赤くして目をそらした



『ぁ…だから、その…逆にパッと目が覚めて』



『クス…そっか』


僕は真に並んで座り庭の方に両脚を下ろした



『…』


『ぁ、そっか…〃それ〃も、だねマコト』


昨日放り出したままの花の種とバケツを
真は隣に大事そうに置いていた


『・・・ぅん』


『朝食終わったら早速植えようか』



『…ぅ…うん…』


真は赤らめた顔を上げて
ようやく僕の方を見て微笑んだ

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