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HEAVEN~時を超えて~

第2章 新世界の中

『さ、涙を拭いて…こっちに立って?』


真の目元を拭うとそのまま体を起こして
壁際に立たせた


『〜〜〜…』

さすがに大人しく口をつぐんだ真は
されるがままに移動して少しキョトンとしている



『軽く身体検査をするよ…まず体重測ろう…〜乗って?』


『〜〜…』



『46キロか…身長のわりに少し軽すぎかな…ブツブツ』


『・・・~』


真は黙って少し耳を赤くして下を向いた


『最近は仕事で疲れ気味だったかな?
ちょっと痩せたかもね
免疫力低下しちゃまずいから食事しっかりとってね』


『・・・』


…コクン



『薬品や食物アレルギーはある?』



『・・・〜』

フルフル…

真は投げられる質問に
縦、横に首を振ってはなんとか答えた



『心音聴くよ…。・・・。…次、後ろ』


Tシャツをめくって聴診器を当てると



『…雑音はないけど…すっごい心拍速い…
これは僕のせいだね、ごめんよ』


『〜〜…』



『よし、おしまい。ゆっくり休んでてね』



真を抱き上げてベットに寝かせて

口枷を噛ませようとすると

真は本能的か反応して顔を反らした


少し…しまった、と言うような顔で

僕の方に顔を戻そうとしてるみたいだけど



『クス…いいよ、代わりに
今日はお薬少しだけ飲んでおこうか?』


真の目の前に錠剤をひとつ見せて口に近づけた



『ありふれた精神安定剤だよ、少量の。こわい物じゃない』



『……』


真の目はもちろん拒否したがっていたけど
さっきのが余程こたえたのか
躊躇いながら小さく口を開けた


そんなに怯えないでくれよ
辛いじゃないか


『…ん……』


真の舌に錠剤をのせて
唇を閉じるようにそっと口を塞ぐ



『〜〜…っ…ん』


真は苦しそうに抑えられた顔を左右に振る



『頑張って…飲み込んで』




『・・・ゴク』




『うん。いい子…』

手をそっとはなして、追って水を飲ませる



『・・・〃少しの間〃って…いつまで?』


はなれようとした時、ぐったりしながら真が呟いた



『そのうちわかる…って…〃そのうち〃って…いつ?』




『・・・。…少し眠気が出てくると思うから…今日はゆっくりお休み』

今日はこれ以上刺激したくないな

僕はそっと部屋をはなれた

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