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HEAVEN~時を超えて~

第2章 新世界の中

『・・・ぅ…』


眩しい

また朝みたい



あれから何日経ったのかな…


あたしは少し寝返りのコツを覚えた身体で
真っ白な天井を見上げて目を覚ました。

悪夢だ…夢だって思っても

毎日、体の自由が利かない状態で目が覚めるから


さすがにパニック状態のままではなくなった


これもひとつの…〃慣れてくる〃って言う事なのだろうか



そんなの…冗談じゃないけど



朝、目が覚めてから…夜、眠りにつくまで

食事からお風呂…身の回りの世話をやいてくれてる

正体も…その目的も不明な




『マコト?起きたの?…おはよう』



『……』



この…

見た目は天使・・・中身は悪魔…みたいな

狂気じみてさえ見える男の存在が



文字通り…あたしをこの場所に縛り付けて

解放する気配がまだ全くないから




思考回路が破壊されつつも

モヤモヤとする心と…なんとか逃れなきゃって焦燥感とを悟られないように過ごした何日だった



だって…笑顔の下は未開の地

話は通じないし

何を考えているのかもさっぱり不明


あたしの心が消耗して諦めさせるために

わざと会話にならない話し方してるのかな

とも考えたりしたけど


どちらにしてもなんのために…って頭が止まってしまう


彼はあたしを知っているって言うけど
あたしの記憶のどこをどう辿っても
彼の存在にぶつかる事はなかったの
(こんなインパクトしかない男…もし知り合ってたら忘れないだろうし)


妄想癖とか…メンヘラ・・・?

ただの頭のおかしい人?愉快犯?

っていうか誘拐犯?



ううん、それはない


こんな…大人になった女を
まして、家族のいない…身寄りのないあたしを
誘拐なんかしたって何のメリットもないはず


謎が謎を呼んで…不気味さが増す現状に
あたしは身震いする



パニックで興奮状態だった?…から、なんかじゃない

それだけでは…きっとない



一番はじめ
対面した時の、背筋も凍るような

ゾクッとした感覚は…消えていない




本当に怒らせると・・・かなりマズイ人


そんな…悪寒がはしる程の…直感

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