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HEAVEN~時を超えて~

第2章 新世界の中

キィ…

『おはようマコト』


あたしの動きに直ぐに気づいたらしく
PCを叩いていた手を止めて
椅子ごとその体がこちらを向く



だから…なんなのよ
その不気味なまでに変化しない爽やかな笑顔は。




『ぉ…ぉはよぅ・・・』


吸い込まれそうな大きな瞳に硬直しそうで
あたしはぶっきらぼうに返事をして直ぐに目をそらす




『マコト…おはようって言ってくれるようになったね』




『……』

なんて…嬉しそうな顔してるの?子どもみたいに

挨拶…返しただけじゃん

・・・変なの。




『少し落ち着いて来たね。うん、良い事だよマコト』



『…〜』


だから頭ナデナデとか…やめてよ

いつか…思いきり…その綺麗な顔ぶん殴ってやる…。



『朝ごはんにしようね』


『・・・〜』


体を起こされて脚の縄が外されると
そのまま連れられて一緒にリビングに降りる

朝は毎日こんな感じ。



どうでも良いけどさ

この人…いつ寝てるの?

仕事とか…どうしてるの?


目が覚めれば必ず近くにいるし

寝てないとか疲れてそうとか言う素振りもない

毎日…おんなじ笑顔・・・

あたしの身の回りの事も…その

トイレ以外は…付ききりで…目の前で見られてるし



冷静になったら、むしろ本当にこわいんだってば

イヤだ…ちょっと考えるのよそう

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