
HEAVEN~時を超えて~
第3章 錯乱
『・・・』
もう走れない…歩けない
その人の背中に揺られて目に入る森林の色が遠ざかっていくのを無力に眺めていた
『ただいま』
『・・・』
ガチャ…
スキップでもしそうな声色で玄関をくぐって
施錠すると
キュ…
あたしを担ぎ上げている腕に力が増した感覚が伝わる
トントントン…
階段は…いつもの登るそれじゃなかった
トントントン…
下っていく・・・のは
暗くて少し埃っぽい…地下室
あたしは存在さえ知らなかった別の部屋
『っ・・・』
咄嗟に体が何かを察知して防御を始める
人間の体って・・・本能って・・よくわからないよね
ドサ…
『っ…ぃや…・・・』
いつものと違う固いベットに体を下ろされて
もう歩けない、動けないと止まってたあたしの体は
本能的な危機を感じて動き出した
『ゃ…めて…!・・・いやだっ』
殺される…殺される…
どうでも良くなってみたり
もういいや、って諦めてみたりしても
人の体って…窮地にはこうして
生きようって抗うものなんだね…不思議
そんなあたしに構うはずもなく
彼はあたしに馬乗りになっていた
薄暗い地下室にチラリと見える微笑を浮かべて
『マコト…悪さをしたりルール違反をしたら
罰を受けるのは当然のことでしょ・・・』
ドクン…っ
『ゃ・・・』
ジャラ…ジャラ・・・ガチャ
ベットの四隅から鎖…、手枷…足枷が伸びて来ていて
あっと言う間にあたしを捕まえた
『ゃ…やだ…・・・こわい…っ…』
『マコト』
『いやだ…ごめんなさい・・・来ないでぇっ…』
『マコト・・・』
『血を・・・拭いて…っ』
やっとまともに出た一言
『ぇ?…ああ、ていうか…〜コレ
君がやったんじゃないか、理不尽な子だなぁ…クスクス』
なんてこともないと言うように
前髪をかきあげるように軽く顔を拭っただけで
彼は土で汚れたあたしの足を丁寧に拭いては
傷だらけの脚の手当てをしていた
もう走れない…歩けない
その人の背中に揺られて目に入る森林の色が遠ざかっていくのを無力に眺めていた
『ただいま』
『・・・』
ガチャ…
スキップでもしそうな声色で玄関をくぐって
施錠すると
キュ…
あたしを担ぎ上げている腕に力が増した感覚が伝わる
トントントン…
階段は…いつもの登るそれじゃなかった
トントントン…
下っていく・・・のは
暗くて少し埃っぽい…地下室
あたしは存在さえ知らなかった別の部屋
『っ・・・』
咄嗟に体が何かを察知して防御を始める
人間の体って・・・本能って・・よくわからないよね
ドサ…
『っ…ぃや…・・・』
いつものと違う固いベットに体を下ろされて
もう歩けない、動けないと止まってたあたしの体は
本能的な危機を感じて動き出した
『ゃ…めて…!・・・いやだっ』
殺される…殺される…
どうでも良くなってみたり
もういいや、って諦めてみたりしても
人の体って…窮地にはこうして
生きようって抗うものなんだね…不思議
そんなあたしに構うはずもなく
彼はあたしに馬乗りになっていた
薄暗い地下室にチラリと見える微笑を浮かべて
『マコト…悪さをしたりルール違反をしたら
罰を受けるのは当然のことでしょ・・・』
ドクン…っ
『ゃ・・・』
ジャラ…ジャラ・・・ガチャ
ベットの四隅から鎖…、手枷…足枷が伸びて来ていて
あっと言う間にあたしを捕まえた
『ゃ…やだ…・・・こわい…っ…』
『マコト』
『いやだ…ごめんなさい・・・来ないでぇっ…』
『マコト・・・』
『血を・・・拭いて…っ』
やっとまともに出た一言
『ぇ?…ああ、ていうか…〜コレ
君がやったんじゃないか、理不尽な子だなぁ…クスクス』
なんてこともないと言うように
前髪をかきあげるように軽く顔を拭っただけで
彼は土で汚れたあたしの足を丁寧に拭いては
傷だらけの脚の手当てをしていた
