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HEAVEN~時を超えて~

第1章 逢えた

ドスン…


『っと…・・・マコト』




蹴ろうと思ったんじゃない
不可抗力だ


だけど


だからって




『ぁ…ご、、ごめ…・・』


尻もちをついた目の前の人の姿に
つい反射的に言葉が出かけるけど



ごめん…じゃ、ないや




『っ触らないで…!!…近づかないでっ…』




あたしは精一杯叫んだ

喉がカラカラで声なんか思うように出ない

頭もなんかクラクラするし

情報量がなさすぎる

ただただ恐怖と混乱だけに支配されて

言葉より先に涙がでそうなのを堪えていた




『マコト…』



『早くこれを外して…っ』


ベッドの上で上半身を捻って
後ろ手に縛られている両腕を精一杯突き出して請う




『マコト?』



『外せっ… … …』





『マコト…そんなに無理矢理動いたらケガするよ?』





『…っ・・・』




だから…どうして
話が噛み合わないのよ

どうして
眉毛ひとつ動かさないのよ

笑ってるのよ(…ように、見える顔なのかな?)




こわいってば…
不気味すぎる




『もう少し落ち着くまで待とうか』



『っ…何する…の…やめて…』




何事もなかったように
解いたロープを再び脚に巻き付けて

その彫刻みたいに整った顔が
目の前に近づく



『顔色は…うん、良さそうだね。良かった』



『・・・〜〜服を…返して』



あらゆる意味で目を合わせられなくて
あたしは下を向いてなんとか言葉を発した




『?…マコトすごく汗かいてたから

ほら、今も…ちょっと興奮し過ぎだよ

深呼吸して?リラックスしてみよう?』




『〜〜・・・』




ダメだ…一切話が通じない

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