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サム・チェイシング・アフター 18頁完結

第1章 シグナル


目が覚めるとバリラーリはまだ自分が生きていたことに驚いた


どこかの小屋の屋根


自分はどこかに寝かされている


身体は痛みで動けない

拘束はされていないが自分の身体が言う事を聞かない


誰かに運ばれて来たようだ


ついに捕まってしまったか……?


絶望感しかなかった



これから拷問を繰り返される

散々もてあそばれた挙句、仲間のように生きたまま見せしめにされ、焼かれるのだ


涙は出ない


散々自分たちがやってきたことが
自分に返ってきただけのことなのだ


過去に現地の住人を蹂躙してきたことが
めぐりめぐって今度は自分の番になっただけだ


全身の痛みのため何度か気を失った


何回目かの目覚めのとき、小屋に誰か人間の気配を感じた

土壁の向こうでカチャカチャと音がする


緊張が走る


そして


垂らされた布の向こうから顔を出したのは若い女の子だった


原住民


浅黒い肌の色

裸の身体に木の実を連ねた飾りを首元からいくつもジャラジャラと音を立てている


目元はくりっと大きく、身体つきはほどよく肥っている


彼女はバリラーリの意識が戻ったことに気付くと何か言葉を発していたがバリラーリには理解できなかった

彼女は実をくり抜いた器にスープを入れてバリラーリの口元に流し込んでくれた


どうやら彼女が瀕死のバリラーリを川から引き上げてくれたらしい


バリラーリは御礼を言ったが、当然彼女には伝わらない


何度かスープだけの食事が続いたが、やがて固形物も口に入れてくれた


少しづつ力がわいてくるものの、ようやく腕が動かせる程度であって起き上がることは出来なかった


高熱も続いていたらしく、気がつくと自分のからだは汗でびっしょりでむず痒かった


腕や顔をポリポリ掻いていると、気持ち悪さが伝わったのか濡らした布で彼の身体を拭いてくれた


全身が新鮮な気持ちになる


心に余裕がうまれてくる


身体を寄せて拭いてくれる少女の、肉付きの良い肌が押し当てられていくと徐々にバリラーリの男がみなぎっていった


少女はそれの反応に気が付くと、そこもやさしく拭き上げていく


屹立していくと彼女はみずから上にまたがり
それを受け入れた


彼は久しぶりに女の肌を感じていた


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