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ふたりは似てる

第2章 真夏の始まり

ー今日は真希さんの好きなビーフシチューですよ

リビングに入ると叔母の瑞穂がソファーに座っていたので、向かいに座る

真知子がお茶を淹れてくれる
手渡すときニコニコ顔で言ってくれた

ーありがとー、ずっと食べたかったぁ
叔母さん、ご無沙汰してます

ー元気そうね、真希ちゃん
上京して8年だったかしら

ーはい

ー随分と里帰りまでかかったものねぇ

ーごめんなさい。。小さい会社に勤めてるんで忙しくて。。。

ーここは一応あなたの実家になるんだから
こんなに帰ってこないからって
お父さんにグチグチ嫌味を言われるのよね、私と美沙が

ーごめんなさい。。。。
お祖父ちゃんにはいつも電話で話してたんですが。。。
とりあえず秋までこっちにいるんでちょこちょこ顔出します

ーお父さんは一緒に暮らしてる美沙よりあなたが可愛いみたいだから

ーそんなことは。。。

ーホントうるさいのよ。。。私も美沙も忙しいのよね
いちいち付き合ってられないわ

お願いね、っと言って
叔母のはノートパソコンを広げた


キッチンに行くと真知子がニコニコしながら料理を仕上げている
ビーフシチューの匂いに暑さと疲れで失せていた食欲が急に湧いてくる

ーわあ、おいしそうな匂い
あ〜、どんなに暑くてもこれは食べたい

ーそうだとわかってましたからね

真知子がウインクしながら言った
いつも明るい家政婦の真知子は昔から私を気遣ってくれる

ーお腹空いた。。。

ー美沙さんもそろそろ戻る時間ですねえ
今日はヒロヤさんは遅くなるそうですが

ー。。。ヒロヤさん。。。
お義兄さんは居ないんですね

ー接待があるようですよ
まあ、いつも遅いですがね、あの方
ここ2年ぐらい仕事帰りにジムに通い始めてて
いつもお一人で後で軽く食べてるようですね

ーそうなんだ

ーはあ
えらいですねえ、続く人って

ーそうだね、私もちっとも行ってないなあ。。。


躰の疲労感にそう思い、真希はくすっと笑った

ーなんです?真希さん?

ーううん。。。最近体力不足を痛感したの

ーあらまあ、真希さんが?

ーううん。持久力不足を痛感してて

ーそうですか?
とりあえず贅肉はありそうにないですよ
それより、もっとふっくらしたほうが良いぐらいに見えますけどねえ。。。
ところで、
持久力って。。マラソンでも出るんですか、真希ちゃん






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