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ふたりは似てる

第2章 真夏の始まり

暫くして、叔父の滝野辰夫、従姉妹の美沙が仕事を終えて戻ってきた
叔母夫婦は2人とも歯科医で隣のビルの2階で歯科医院を営んでいる
娘の美沙も一緒だが、最近は叔母の瑞穂と美沙は審美歯科をメインにしている
瑞穂はなかなか経営者として有能らしく、最近ではテレビCMにも自ら出演している
真希もたまに美容雑誌で矯正やホワイトニングの記事に瑞穂をみたことがあった

ーやあ、久しぶりだねえ真希ちゃん

叔父の辰夫が真希を見てニッコリとする

ーお久しぶりです、叔父さん、美沙お姉さん

ーなんだか美人が更に美人になってるなぁ
女優さんみたいだなぁ、君のお母さんを思い出すよ

そんなことないです、と言いかけたが

ーパパ、真希ちゃんはうちの娘でしょう

美沙の大きな声に遮られた

ーははは、そうだけどね

ー美人、美人って何よ、そればかりいって
パパは何年も帰って来ない娘にそれしか言うことないわけ?

ーそんなつもりは無いよ
まあ、遠くで働いてるんだし、なかなか来れないだろうしね。。
休みはデートだよね、真希ちゃん

ーやだ!
そうゆうのセクハラっていうのよ、全く。。。

ーなあに、美沙、大きな声出して。。。

瑞穂が不愉快な顔して部屋に入ってきた

ーあー、いや、なんでもないよ

辰夫が答える

ーあぁ、いや。。真希ちゃんがすごく綺麗だって言ってたんだ。。。

ーそんなこと。。。
大きな声を出さないでって、いつも言ってるでしよ、全く。。。

瑞穂が辰夫を睨みつけ言った後、大きなため息をついて腕組みをする

ーパパはほんといつも、ママと私を不愉快にするんだから。。。。

瑞穂の不機嫌な様子に美沙が辰夫を睨みつけながら言う

ーいやあ。。。ごめんねぇ、そんなつもりは

ーいつもそうでしょ
患者さんににだって余計なことばっかり言うんだから。。。

ーはあい、皆さん、お待たせしましたぁ
お食事ですよー♪

家政婦の真知子が陽気な声で割って入ってきた

ーあらら、ご隠居さま、どこでしょうかねえ
見てきますので皆さんはお席に、はい

彼女の明るさがいつもこの家の空気を中和させてくれてた、
今も変わらないんだわと真希は思った


全員揃って席に着く

やっぱり食欲が。。。。。
胃のあたりに軽い重さを真希は感じながら立ち上がった

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