創造の双子。
第2章 弟(仮)
「…よし!じゃあ学校行こっか♪」 ご飯を食べ終わると、満面の笑みで慧の手を繋ぐ。
もう離れないように、しっかりと。
家を出て少し歩くと、慧は急に立ち止まって 道路の脇の花束を見つめた。
「これ…ぼくの…」
「あっ! 何でもないっ! …っほらいこっ?!? 」
わざと話をそらして、通り過ぎる。
(こんどから、違う道からいかなきゃ…)
西華の弟は生きているー…という、想像上の世界を壊したくはなかったのだ。
学校について、職員室に慧を送り届ける。
慧は今日の朝礼で紹介されるので、西華は他の人がどう想うのかが気になって、詩穂以外の誰にも慧のことを話していなかった。