アシスタントで来ただけなのに…!
第2章 ルイ先生との共同生活
玄関ホールに飾られた彫刻を横切り、真正面にある扉の前に立った。
特に異臭はなく、先生も何も感じてないようだった。
「では、早速開けてみるが問題ないか?」
「…はい、大丈夫です」
私が頷くと、先生はドアノブに手をかけてゆっくりと扉を開いた。
私は目を瞑って警戒していた。
「どうだ?何か見えるか?」
チラッと片目を開けてみたが、前に見た女はいなかった。
「…いいえ、なにもないです」
「そうか」
私は部屋を見渡してみたが、特に何も無かった。
先生の顔を見てみたが、特に残念そうにはしておらず、相変わらず無表情のままだった。
「入ってみよう。君も入れるなら入ってくれ」
「っあ、先生…!」
スタスタと警戒する様子もなく部屋に入っていった先生に驚きつつ、私は恐る恐る足を踏み入れた。
「…以前と何も変わらない。家具も特に異変はない」
「焼け焦げた臭いと言っていたな。それもない」
胸ポケットに入っていたメモを見返しながら、先生は部屋の隅々を確認している。
「えっと…先生?」
「どうした?何か感じたか?」
「っあ、すみません。全然違うんですけど」
「怖くないんですか?」
怖がる様子もなく、部屋を確認する先生に尋ねた。
「怖いとは思わない。むしろ僕はこの目で見てみたい」
先生の探究心に恐れ入った。
この目で見てみたいと思うなんて、流石はホラー漫画家だ。
「何か感じたことがあれば言ってくれ。君はとりあえずこのスマホで部屋の写真を隅々まで撮ってくれ」
渡された先生のスマホを受け取り、私は部屋を見渡す。
「えっと、主にどこを撮りましょう?」
「君が違和感を感じたところだ」
ぐうぅ…と変な声が出そうだ。
なかなか難しいことを言ってくる。
それに私が違和感を感じたところは絶対何かあるに決まってる。
とりあえず私は部屋の片隅から、布のかかった家具、天井の写真を撮った。
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