アシスタントで来ただけなのに…!
第2章 ルイ先生との共同生活
怖かった…あの女はやばい。
私は霊媒師でもないただの素人だか、それでも分かるくらい強烈な怨霊だ。
あの顔つき、鮮明に見える女の顔。
部屋の前で震える私に気に止める様子もなく、先生は顎に手を添えながらのんびりと呑気に部屋から出てきた。
「…なるほど、なるほどな」
「なるほどって…先生あれはやばいですよ」
「何がだ?僕には何も見えなかったが」
本当にルイ先生には霊感がないのか…。こんな恐怖体験をした私とは違って、先生の鈍感さが少し羨ましい。
「わ、私には見えました!暖炉の中から焼け焦げた女が覗き込んでました!」
「ほう…なるほど」
またもや先生は胸ポケットからメモ帳を取り出して、スラスラと書き込んだ。
とりあえず取り乱してしまった自分を落ち着かせるように、深呼吸をして壁にもたれかかった。
「っはぁ…っはぁ…こんなの初めてです」
「なんだ?慣れているんじゃなかったのか?」
「慣れているって…鮮明に霊が見えることなんて今までなかったですよ」
それにあの女は私だけを睨みつけていた。
どうしてだろう。本当にそれが分からない。
先生はもう一度部屋の中を確認しようとしたが、私はそれを阻止した。
「いや!先生今は何もしない方がいいです!」
「何故そう思う?中にあの霊がいたのならば僕も見てみたい」
これで何かあの霊が先生に反感を買ってしまったらいけない。
「一旦、写真も撮れましたしこの部屋は後にしませんか…?」
そう言うとまた悩む仕草をしたが、先生は頷いた。
「それもそうだな。では残りの一部屋を見て戻ろう」
メモ帳をしまうと、先生は彫刻の後ろの部屋に向かった。
私はふぅっと一息ついて、先生の後を追った。
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