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クラスの人気者は、刹那の2時間を買い戻したい。

第12章 ビジネスホテル

苑子は床に落ちている下着を拾いあげ腕を通しホックを止め、ワンピースを首にかけながら

「刹那くん、もう制服に着替えていいわよ」

苑子にうながされ刹那はズボンを履いてシャツ羽織ってボタンを止めた。

「あのね、刹那くんに食べてもらいたくてケーキ持ってきたの」

彼女は備え付けの冷蔵庫から小箱を取り出してテーブルに置いた。

「苑子さん?」

刹那は戸惑ったように立ち尽くしている。

「この間、貴方に……抱いてもらったあと考えたの」

かぁっと苑子顔が赤く染まっている。

「夫には仕返しもできたし、あ、刹那くんには迷惑な話だったわよね」

「……」

「でね、刹那くんにケーキ屋さんのケーキみたいだって言ってもらえて本当に嬉しかった」

「実際、すごく美味しかったし」

「ふふ、ありがとう。ケーキ屋さんはムリでも私の作ったお菓子を食べて欲しいと思って
ママ友にそんな話をしたら、週末マルシェで出品して、受注販売してみたらどうかってなって」

「イイじゃん」

苑子は備え付けのポットで珈琲を淹れて刹那に手渡した。

「はい、食べて感想聞かせて」

サクサクのパイ生地とカスタードが層をなして、生クリームの上にツヤツヤしたフルーツが盛られている。

「スゲー、いただきます」

バター香るパイ生地とカスタードが絶妙なバランスが口の中いっぱいに広がり、フルーツの甘酸っぱさが全体を引き締めている。

「めちゃくちゃ美味い!」

苑子は美味しいがこぼれ落ちている刹那の顔を見てくすくす笑っていた。

「そろそろ、樹をお迎えに行かなくちゃ」

「そっか、早く迎えにいってやんなよ」

刹那はそういいながら煙草を咥えて火をつける。

「刹那くん」

苑子はゆっくり手を前に伸ばしてきた、刹那も手のひらをだしてこたえた。

その手のひらに小さく折りたたまれたい五千円札を握り取っていた。

「先に行くわね」

「いってらっしゃい」

刹那は彼女の背中を見送った。






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