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万華のむつごと

第4章 翌年の夏祭り

一年が過ぎ、14歳になった透子は再び金魚の模様の浴衣を羽織った。

背が伸びたせいで裾から足首が覗いてしまっているけれど、新しい浴衣に変える気はなかった。

社殿の前に立ち、行ったり来たりして時間を過ごした。

社殿の前からは参道に沿って延々と立ち並ぶ露店と、人々の群れがよく見えた。

その人ごみから二人の人影が飛び出してこちらに来るのを何度も夢想した。

十時を過ぎ、人は少なくなり、露店の灯りが消えていく。

社殿の前の石段に座り、透子はそこで初めて泣いた。

祭の賑わいが、透子の寂しさをあざ笑うようだった。誰も自分の想いを解ってくれる人はいないのだ。分かってもらおうとも思わない。透子は胸の奥で呟いて、暗がりでうつむき、涙が止まるのを待った。

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