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中毒の処方箋 〜淫らな輪舞曲〜

第8章 飽食の時。瑠花(1)

お互いにほどよく酔いが回った時分に夕食を終えて店を出た。「もう一軒」と誘いたいところだったが、ルカはお酒があまり強くない。でも、今日は僕と女将がすすめるお酒を断りもせず飲んでくれた。

おそらく、途中の熱燗から酔いが回りはじめたようだった。真っ赤に顔を染めた瑠花はまっすぐ歩けないようで、その足取りも少しおぼつかない。道路に何度もはみ出しそうになるので、危なっかしくて、僕は彼女の腰に手を回した。細いウエストが僕の腕にしっくりと馴染んだ。

僕は瑠花をバスに乗せるためにバスの停留所へと向かった。夜の早い時間帯とあって、そこには家路を急ぐサラリーマンたちが列をなしている。 座る場所もないので僕はルカの腰を抱いたままバスの来るのを待った。時折、瑠花が下を向くので、吐くんじゃないかと心配になり、瑠花の顔を覗き込む。

「タクシーで帰ろう」

そう言うと、僕は思い切って瑠花の手を引き、近くに停まっていたタクシーに乗り込んだ。

隣に座った瑠花は、「うん、何?」と言いたげな、トロンとした瞳で僕を見つめている。運転手に行き先を告げ、タクシーは走り出した。数分後、高速道路のインターチェンジ付近で車を降りた僕は、そのまま彼女の手を引いてラブホテルへと向かった。

今にして思えば、彼女はその気になれば拒否することもできたはずだ。しかし僕には、彼女が目の前で起きているこの成り行きを楽しんでいるようにすら見えた。

「私の家、ここじゃないですよ」

瑠花は少し呂律は怪しいが、落ち着いた口調でそう言った。

「瑠花ちゃん、まだ時間があるって言ってたよね。ここまで来て言うのも変だけど……断ってもいいんだよ」

「時間があったらラブホテルに来るんですか?先生ってそういう人なんですか?」

「少し休憩でもしようよ」

「 そうですね……どうしようかな」

彼女は片足のつま先でトントンと地面を叩き、ホテルの中を覗き込むような素振りを見せたが、その表情はどこか楽しげだった。

「瑠花ちゃん、いいかな。行こうよ」

僕はもう一度、彼女の手を引いた。

「えええ……まだOKしてないんですけど……でも、いいですよ」

その言葉を聞いて、僕は瑠花の手首をしっかりと握り直し、ホテルの中へと足を踏み入れた。

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