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中毒の処方箋 〜淫らな輪舞曲〜

第10章 飽食の時。瑠花(3)

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ガヤガヤとした会話の裏で、私はそっと足を動かした。テーブルの下、誰の目にも触れない暗闇の中で、瑠花のタイトスカートの裾がわずかに揺れる。 そっと伸ばした私の指先が、彼女の膝に触れた。

瑠花の肩がびくりと跳ねる。しかし、彼女は声を漏らす代わりに、グラスを口元に運んでその動揺を隠した。頬がじわじわと赤くなっていくのが、薄暗い照明の中でもよく分かった。

「……ん、このお酒、ちょっと強いかも」

瑠花が小さく呟き、テーブルの下で私の指をそっと握り返してくる。その強い力は、このスリルを楽しんでいる証拠でもあった。

その時、瑞希がふっと不敵な笑みを浮かべた。

「ねえ、瑠花。さっきからちょっと顔赤いよ? ……先生、瑠花にばっかり構ってないで、私の話も聞いてくださいよ」

瑞希の目が、テーブルの下の何かを察しているかのように細められる。彼女は気づいているのだろうか。それとも、単なる直感か。

私たちは、職場の仲間という仮面を被りながら、机の下で、そして視線の交差の中で、静かな、しかしひりつくような駆け引きを繰り広げていた。

会場の喧騒が遠くに聞こえる中、瑞希の視線が私を捉えた。テーブルの下で、彼女の足がそっと私の脚に触れる。わずかな圧力。意図的な合図。彼女の目は細められ、唇の端がわずかに上がっていた。あの目は何かを察している——いや、確信している。

「ちょっと、先生……少し話があるの」

瑞希は自然な笑顔を浮かべ、私の腕を軽く引いた。職場の仲間としてごく普通の仕草に見えるよう、計算し尽くされた動きだった。

私たちは会場を抜け、薄暗い廊下を進み、突き当たりのトイレ前で立ち止まった。周囲に人気はなく、遠くのBGMだけが低く響いていた。

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