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中毒の処方箋 〜淫らな輪舞曲〜

第10章 飽食の時。瑠花(3)

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パーティの喧騒を離れ、たどり着いたのは瑠花のマンションだった。 外気の湿気が肌にまとわりつく中、一歩足を踏み入れた部屋の中は、冷房の心地よい冷気で満たされていた。

職場の緊張感から解放された安堵感と、それ以上に濃密な密室の空気が私の肌にまとわりつく。

「先生、今日は瑠花の誕生日だから、改めて3人だけでお祝いしようね。お酒の肴もちょちょっと作ったから」

エプロンを外した瑞希が、ガラスの脚を細い指で挟みながら、ワイングラスを私の前に置く。白いシャツの胸元が、職場で見る時よりも少しだけ緩められており、鎖骨のラインが艶やかに浮き上がっていた。

ボーイッシュな外見とは裏腹に、その佇まいには隠しきれない大人の色気と、男を惹きつける術を知り尽くしたような淫らさが漂っている。

「うん、美味しい。瑞希ちゃんの作る料理って本当に美味しいよ。ありがとう」

瑠花も私の隣で箸を進めながら、おずおずと、しかし嬉しそうに微笑む。彼女の着ている薄い白いニットは、彼女の柔らかな輪郭を強調していた。

だが、その距離感はどこか落ち着かない。いつもなら僕と体を重ね合わせる場所だが、今夜はすぐ目の前に瑞希がいる。彼女の存在が部屋の空気を妙にピリつかせ、見えない火花を散らせていた。

「瑠花ってさ、先生の前だと本当に可愛い顔するよね」

瑞希がソファの背もたれに深く身体を預け、手元のグラスをゆっくりと揺らしながら言った。琥珀色の液体がガラスの壁を濡らす。彼女の目は、親友をからかっているようでもあり、同時に、その座を奪い取ろうとする狩人のようでもあった。

「な、何言ってるのよ、瑞希。普段だって普通だし……」

瑠花は慌ててそっぽを向くが、その耳たぶは完全に上気している。

「嘘。普段会うときはもっとツンとしてるもん。先生、瑠花のこういう顔、毎日独り占めしてるんですよね?」

瑞希の言葉は、私たちの関係の核心に触れそうで触れない、絶妙なラインを正確に突いてくる。彼女は言葉の刃を、楽しそうに、かつ深く突き刺してくるのだ。

私はワインを一口含み、その芳醇な香りで喉を湿らせてから、瑞希の真っ直ぐな視線を受け止めた。



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