
中毒の処方箋 〜淫らな輪舞曲〜
第11章 飽食の時。亜美(1)
夏の終わりの、ある日のこと 。
僕の働く職場に、三ヶ月の短期契約で新しい事務職員がやってきた 。
彼女の名は亜美、二十二歳 。
こぼれるような白い歯と、潤いを帯びたふっくらとした唇が印象的な、笑顔の愛らしい女性だった 。ただ、その可憐な左手の薬指には、真新しい結婚指輪が静かに光を放っている 。そう、彼女は籍を入れたばかりの新婚の身であった 。
職場には基本的に私と彼女の二人きりしかおらず、診察の合間の退屈な時間は、決まって取り留めのないお喋りで時間を潰すした。彼女は明るく、よく喋る子で、手持ち無沙汰な時間をやり過ごすにはうってつけの相手だった 。
最近の若い女性には珍しく無類のお酒好きで、勤務が午前中で終わる日は、早い時間から大好きなハイボールを嗜むのだと楽しそうに語ってくれた 。ハイボールの好みだけでなく、お気に入りのアーティストまでもが一致するなど、僕たちには不思議と共通点が多かった 。
年齢は大きく離れていたが、だからこそ亜美が僕に異性としての関心を抱くはずもないと、どこかで高を括っていたのだ 。
しかし、日を重ねるごとに、僕は彼女と職場で顔を合わせる瞬間を心待ちにするようになっていた 。
そんなある時、亜美が夫と些細な諍いを起こし、家を飛び出して実家に身を寄せているという話を聞いた 。半ば駄目で元々という気持ちで夕食に誘ってみると、彼女からは思いがけず、OKとの快い返事が返ってきた 。
お酒を飲むときの亜美は、息を呑むほどに愛らしく、そして甘えん坊だった 。熱を帯びた、とろんとした瞳で見つめられるたびに、胸の奥がキュンと切なく締め付けられる 。ときには僕の肩にちょこんと頭を預け、そのまま無防備に寝息を立てることもあった 。
男の心を狂わせる術を、彼女は生まれながらに知っているのだろうか 。僕の胸の内に、いつしか彼女の肌に触れたい、求め合いたいという、抗いがたい情欲が芽生え始めていた 。
僕の働く職場に、三ヶ月の短期契約で新しい事務職員がやってきた 。
彼女の名は亜美、二十二歳 。
こぼれるような白い歯と、潤いを帯びたふっくらとした唇が印象的な、笑顔の愛らしい女性だった 。ただ、その可憐な左手の薬指には、真新しい結婚指輪が静かに光を放っている 。そう、彼女は籍を入れたばかりの新婚の身であった 。
職場には基本的に私と彼女の二人きりしかおらず、診察の合間の退屈な時間は、決まって取り留めのないお喋りで時間を潰すした。彼女は明るく、よく喋る子で、手持ち無沙汰な時間をやり過ごすにはうってつけの相手だった 。
最近の若い女性には珍しく無類のお酒好きで、勤務が午前中で終わる日は、早い時間から大好きなハイボールを嗜むのだと楽しそうに語ってくれた 。ハイボールの好みだけでなく、お気に入りのアーティストまでもが一致するなど、僕たちには不思議と共通点が多かった 。
年齢は大きく離れていたが、だからこそ亜美が僕に異性としての関心を抱くはずもないと、どこかで高を括っていたのだ 。
しかし、日を重ねるごとに、僕は彼女と職場で顔を合わせる瞬間を心待ちにするようになっていた 。
そんなある時、亜美が夫と些細な諍いを起こし、家を飛び出して実家に身を寄せているという話を聞いた 。半ば駄目で元々という気持ちで夕食に誘ってみると、彼女からは思いがけず、OKとの快い返事が返ってきた 。
お酒を飲むときの亜美は、息を呑むほどに愛らしく、そして甘えん坊だった 。熱を帯びた、とろんとした瞳で見つめられるたびに、胸の奥がキュンと切なく締め付けられる 。ときには僕の肩にちょこんと頭を預け、そのまま無防備に寝息を立てることもあった 。
男の心を狂わせる術を、彼女は生まれながらに知っているのだろうか 。僕の胸の内に、いつしか彼女の肌に触れたい、求め合いたいという、抗いがたい情欲が芽生え始めていた 。

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