
君の体温は義務だった
第2章 通知
通話を切る。
部屋はまた静寂に包まれた。
マグカップのコーヒーはすっかりぬるくなっている。
一口飲んでみたが、やっぱり微妙な味だった。
……淹れ直すのも面倒だな。
ソファに倒れ込み、ぼんやりと天井の模様を眺める。
せっかくの休日だ。
何かしようと思えば、やりたいことなんていくらでも作れる。
映画を観に行ってもいい。
買い物に出かけてもいい。
けれど結局、何となく体を動かす気になれない。
スマホを開き、流れてくる動画をダラダラと眺める。
三十分。
気付けば一時間が経過していた。
一体何を見ていたのかは、もう覚えていない。
「腹減ったな。」
冷蔵庫の扉を開ける。
卵。
麦茶。
賞味期限がぎりぎりの豆腐。
ドレッシング。
静かに扉を閉めた。
……よし。
見なかったことにしよう。
財布とスマホだけを手に取って、外へ出た。
外は蝉の声がうるさいほど響いている。
歩いて五分ほどのコンビニは、休日の昼らしくのんびりとした空気が流れていた。
おにぎりを二つ。
カップの味噌汁。
ついでにペットボトルのコーヒーをカゴに入れる。
会計に向かう途中、レジ横の書籍コーナーで何となく視線が止まった。
並べられた文庫本。
『AI時代の幸福論』
『十年後になくなる仕事』
『人はなぜ孤独を感じるのか』
最後の一冊に思わず手が伸びかける。
……いや。
休日まで仕事の延長みたいな本を読む気にはなれないな。
本を棚へ戻そうとした時、その隣に積まれていた一冊の小説が目に入った。
帯には大きく、こう書かれている。
『たった一人との出会いが、人生を変えた。』
「……ベタだな。」
小さく鼻で笑って、本を棚の定位置へ戻した。
結局、買ったのはお昼の弁当と一緒に手に取った週刊誌だけだった。
部屋はまた静寂に包まれた。
マグカップのコーヒーはすっかりぬるくなっている。
一口飲んでみたが、やっぱり微妙な味だった。
……淹れ直すのも面倒だな。
ソファに倒れ込み、ぼんやりと天井の模様を眺める。
せっかくの休日だ。
何かしようと思えば、やりたいことなんていくらでも作れる。
映画を観に行ってもいい。
買い物に出かけてもいい。
けれど結局、何となく体を動かす気になれない。
スマホを開き、流れてくる動画をダラダラと眺める。
三十分。
気付けば一時間が経過していた。
一体何を見ていたのかは、もう覚えていない。
「腹減ったな。」
冷蔵庫の扉を開ける。
卵。
麦茶。
賞味期限がぎりぎりの豆腐。
ドレッシング。
静かに扉を閉めた。
……よし。
見なかったことにしよう。
財布とスマホだけを手に取って、外へ出た。
外は蝉の声がうるさいほど響いている。
歩いて五分ほどのコンビニは、休日の昼らしくのんびりとした空気が流れていた。
おにぎりを二つ。
カップの味噌汁。
ついでにペットボトルのコーヒーをカゴに入れる。
会計に向かう途中、レジ横の書籍コーナーで何となく視線が止まった。
並べられた文庫本。
『AI時代の幸福論』
『十年後になくなる仕事』
『人はなぜ孤独を感じるのか』
最後の一冊に思わず手が伸びかける。
……いや。
休日まで仕事の延長みたいな本を読む気にはなれないな。
本を棚へ戻そうとした時、その隣に積まれていた一冊の小説が目に入った。
帯には大きく、こう書かれている。
『たった一人との出会いが、人生を変えた。』
「……ベタだな。」
小さく鼻で笑って、本を棚の定位置へ戻した。
結局、買ったのはお昼の弁当と一緒に手に取った週刊誌だけだった。

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