
君の体温は義務だった
第2章 通知
俺も定時を少し過ぎた頃に会社を出た。
家に帰り着き、ドアの鍵を開ける。
「ただいま。」
……。
当然、返事はない。
分かっている。
いつものことだ。
靴を脱ぎ、部屋の中に入る。
冷蔵庫を開けて中身を確認する。
昨日と、ほとんど変わっていない景色。
自分一人のために料理をする気分にもなれなかった。
着替えて、近所のコンビニへ向かう。
弁当を温めてもらい、そのまま部屋へ戻った。
テレビの電源を入れる。
バラエティ番組で、芸人が大きな声で笑っていた。
その笑い声につられて、ほんの少しだけ口元が緩んだ。
「……くだらないな。」
そう皮肉を呟きながらも、たぶんこういう番組は嫌いじゃない。
食べ終わった弁当の容器をゴミ箱へ片付ける。
テレビの音だけが、静まり返った部屋に響いていた。
静かだ。
でも。
別に困ってはいない。
一人の生活には、もうすっかり慣れている。
ずっと、そう思っていた。
◇◇◇
深夜。
何となく、目が覚めた。
理由は分からない。
喉が渇いたからなのか。
トイレに行きたかったからなのか。
それとも、ただ眠りが浅かっただけなのか。
ぼんやりとした頭のまま、暗闇の中で天井を見つめる。
冷蔵庫の低いブーンという駆動音。
壁掛け時計の刻む秒針の音。
遠くの幹線道路を走る車の音。
昼間なら気にも留めないような微かな音が、夜になると妙に大きく耳に届く。
「……静かすぎだろ。」
誰もいない暗闇に向かって、ぽつりと呟いてみた。
当然、返事はない。
そりゃそうだ。
一人暮らしを始めて何年経つと思っているんだ。
今さらこの部屋で「おかえり」なんて声が聞こえてきたら、それはそれで恐怖でしかない。
家に帰り着き、ドアの鍵を開ける。
「ただいま。」
……。
当然、返事はない。
分かっている。
いつものことだ。
靴を脱ぎ、部屋の中に入る。
冷蔵庫を開けて中身を確認する。
昨日と、ほとんど変わっていない景色。
自分一人のために料理をする気分にもなれなかった。
着替えて、近所のコンビニへ向かう。
弁当を温めてもらい、そのまま部屋へ戻った。
テレビの電源を入れる。
バラエティ番組で、芸人が大きな声で笑っていた。
その笑い声につられて、ほんの少しだけ口元が緩んだ。
「……くだらないな。」
そう皮肉を呟きながらも、たぶんこういう番組は嫌いじゃない。
食べ終わった弁当の容器をゴミ箱へ片付ける。
テレビの音だけが、静まり返った部屋に響いていた。
静かだ。
でも。
別に困ってはいない。
一人の生活には、もうすっかり慣れている。
ずっと、そう思っていた。
◇◇◇
深夜。
何となく、目が覚めた。
理由は分からない。
喉が渇いたからなのか。
トイレに行きたかったからなのか。
それとも、ただ眠りが浅かっただけなのか。
ぼんやりとした頭のまま、暗闇の中で天井を見つめる。
冷蔵庫の低いブーンという駆動音。
壁掛け時計の刻む秒針の音。
遠くの幹線道路を走る車の音。
昼間なら気にも留めないような微かな音が、夜になると妙に大きく耳に届く。
「……静かすぎだろ。」
誰もいない暗闇に向かって、ぽつりと呟いてみた。
当然、返事はない。
そりゃそうだ。
一人暮らしを始めて何年経つと思っているんだ。
今さらこの部屋で「おかえり」なんて声が聞こえてきたら、それはそれで恐怖でしかない。

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