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君の体温は義務だった

第2章 通知

……いいな。

そんな言葉が喉まで出かかったけれど、すっと飲み込んだ。
代わりに唐揚げをひとつ口へ放り込む。揚げたてで、思っていた以上に熱かった。

牧野が麦茶をひと口飲み、思い出したように口を開く。

「昨日の感情推定、また外したらしいな。」
「ああ。」
「孤独リスク3パーセントだった人だろ?」
「実際は救急搬送。」
「らしいな……。」
「またか。」

感情推定AIは、日常の睡眠ログや心拍数、会話の頻度なんかを勝手に拾い集めて、「この人は精神的に安定しています」なんて数字を弾き出してくる。
精度はかなり高い。……そう、“かなり”止まりだ。

「やっぱり万能じゃねぇな。」
「万能だったら、俺らSEなんてとっくに失業してるよ。」
「違いない。」

牧野が笑い、俺もつられて口元を緩めた。

だけど――画面に表示されるパーセンテージだけじゃ、人の本当の心なんて測れやしない。
この仕事をしていると、嫌でもそれを思い知らされる。

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