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姉のような母のような黄色い花

第1章 夕陽の差す方角

 だけど一回目のセックスで、この体にハマってしまった。二の腕の脂肪も太ももの脂肪も、しっとりとしていて、とにかく柔らかい。覆いかぶさって抱きつくだけで、心の中のもやもやとしたものがスーッと消えていくような安堵感に包まれた。
 それでいて、キスをしたり乳首を舐めたりすると、美織は深く息を落とすような喘ぎ声をだし、ゆったりとした動作で背中をのけ反らせる。セックスに慣れているといえば慣れているのだろうけど、これまで付き合ってきた年の近い女の子と違って、一つ一つの仕草が官能的でムードがあるのだ。まるで映画の濡れ場シーンのように。
 美織はこの部屋で僕に初めて迫られた時、
「本当にいいの? 全然良くないと思うよ」
 拒否するどころか、自分に自信がなさそうだった。だけどアソコの中もすこぶる柔らかくて、僕は思わず「すげえ」と口にしたほどだ。
 めちゃくちゃ濡れているわけでもないのに、中はヌメヌメとした軟体動物が蠢いているようにペニスを包み込んでくる。ペニスのカリの部分が膣壁の柔らかいヒダを擦るたび、僕は脊髄あたりがとろけるような快感に襲われた。
 そうなると腰を打ち付けるたび、タプタプ揺れる乳房や下腹もエロチックに見えてしまう。程よく油断している──いや、熟れた体には生々しいエロさがあることを知った。
「また、したくなってきた」
 三十分ほど前に射精したばかりだが、美織の体と密着していると、自然とペニスがムクムクしてくる。こういうのを魔性のボディと呼ぶのだろうか。いや、少し違う。美織の体はすごく安心できるのだ。相手がうんと年上であることも関係しているのかもしれないが──男らしくあらねばとかスマートに決めねばといった気負いもなく、それこそ元来の甘えん坊の欲望をありのままにして、優しい女のもとに帰っていける。これもまた男の本能で、性欲を駆り立てられるのだ。
「さっき、したばっかりでしょ」
 このように呆れたように言うところも好きだ。僕は男兄弟の長男で、姉はいないけど、美織はずっと欲しかったお姉ちゃんみたいで、普通に会話をしているだけでもホノボノとした気分になる。
「もしかして、圭ちゃんはマザコン?」
 何度目かのセックスのあと、美織に言われたことがあった。
「ん~、どうなんだろう。マザコンって、実のお母さんが好きってこと?」
 僕はこのあたりの定義がよくわからない。

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