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トラブルマーチ

第7章 谷原の過去

一回り上に兄貴がいて、俺は次男。

家は兄が継ぐから親や親戚の期待は兄に向けられていて、金で雇われた使用人が俺の面倒を見ていた。

欲しいものもそれなりに与えられ、周囲にはおこぼれをと人が絶えず溢れていた。


でも…
一番欲しかったのは

テストで100点をとった時に
優しく微笑んでくれる様な温かい親の愛情。

短距離走で1位をとった時に
優しく頭を撫でてくれる温もり。



欲しているのは、
周囲が親からもらう愛情と同じもの。

跡継ぎの兄ばかりちやほやされ、ポツンと1人蚊帳の外の俺。
住まいさえも本宅ではなく、離れの別邸で…。

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