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トラブルマーチ

第8章 別の顔

ボクサーパンツをはいた谷原は、そのままキッチンの方に歩きだし、ファイルを持って戻ってきた。


スポーツもやっていないのに、程よく鍛えられている身体は健康的で、この時始めて、谷原をまじまじとみた気がする。



「何が良い?」


ファイルには、周辺のケータリングサービスを行っているお店のチラシ。

どうせ谷原の金なら…って思うのに、目に入ったのは、カレーチェーン店の『チーズカレー』



「カレーが良い。甘口で。」


チーズカレーを指しながら言うと、谷原は笑顔で頷いていた。
優しげな表情を向けられると、憎みきれない。

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