テキストサイズ

トラブルマーチ

第8章 別の顔

「…はぁ、わかった。」


そう言って電話を切ると、じーっと里香を見る谷原。



「何。」


「ずっとそこいたの?」


「…はい。」



あんたがずっと抱きついてて離れなかったんだろうが!!
怒鳴りつけたいのも我慢して、凝った身体をほぐそうと背伸びをして見ると、私に向かって伸びてくる谷原の手が頬に触れた。



「…俺のなのに…返したくない。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ