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トラブルマーチ

第2章 振った男

土足で入れるため、コンクリートの床には砂が散らばっていて、押し込められて倒れた私の手や脚には、自然と砂がついた。


「た…谷原?」


「暗くて何も見えないな…。」


そう言った谷原の声はどこか冷たくて怖かった。


「谷原…怖い、電気つけて。」


「ダメだよ。暴露ちゃうもん。」


谷原は携帯を手に持ち私を照らした…。
床に座ったままの私を上から、画面の明かりで照らしていた。


「里香ちゃん見っけ。」

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