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トラブルマーチ

第8章 別の顔

岸さんはミラー越しに会釈をする。
私はそれを見てドアに手をかけて


「じゃ…」


そう言いかけると、谷原に肩をつかまれキスをされた。

それはもちろん濃厚なものを。


谷原の舌は里香の柔らかい唇を割って入り、里香も素直に口を開ける。

里香自身、投げやりになっている部分もあるが、谷原の機嫌を損ねたくないのだ。


唇が離れると、谷原は切ない声を出す。



「里香ちゃん…。」


「また明日。摂こそ、早く来過ぎて近所の噂にならないでよ?!」

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