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トラブルマーチ

第2章 振った男

手は扉に届く事はなかった。

奥にまで後ずさってなければこんな事にはなっていなかっただろう。


「怖い!!谷原!!」

「大丈夫、里香ちゃんはただ俺のものになるだけだから。」


言ってる意味なんて考えたくない。

絡めてくる脚を必死に逃れようと、脚に力をいれ閉じると、羽交い締めにされ身動きが取れない。余計に悪化してしまう状況にもがくと、抑え込まれうつ伏せの私の腰の上に跨ってきた。


「俺の優勢。」


そう上から声がした。
お互い息が上がっていて、少し離れたところに携帯が転がっていた。

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