溺愛
第2章 告白
―トントン…―
すると
幹矢は眠たそうな目を半分あけて
みあを見上げて言った。
「…なに」
みあは震える手でスカートの
裾にシワができるほどギュッと
握って声を振り絞った。
「ぁ、あの…」
どうしよう
上手くしゃべれない…
この二人の空間だけが
沈黙になった。
言葉に詰まったみあに
幹矢は不機嫌そうに言った。
「なんだよ。用事ないなら俺帰る」
時計をチラッと見た幹矢は
ガラガラと席を立つ。
な、なにか言わなきゃ
そう焦るばかりでみあからは
言葉とゆうより声もでなかった。
幹矢は机の横にかけてある
カバンをもつとみあの横を通りすぎる。
なにも言えない自分に
腹がたったのか
それとも
恥ずかしさのあまりの
涙なのか、ジワジワと目頭が熱くなり、
鼻がツーんとした。
それでも
みあは教室を出ていった
幹矢を追いかけ走った。
階段を降りる途中で
幹矢を見つけ、思いっきり叫んだ
「幹矢くん!!」
その声を聞いた幹矢は
階段を降りるのを止め、立ち止まり
みあを見上げた。
みあは
最初の声の音で叫んで思いを伝える。
「私、幹矢くんが好きッ!!…その…だから…わ、私と付き合ってください////」
言った後私の顔はゆでダコのように
真っ赤になった。
幹矢は
一瞬目を見開き驚いたような顔をしたが
すぐにいつもの表情に戻って
みあに答えをだした。
「…無理」