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《Eternal bells…… 》

第20章 同じ時間を…




(うぅ……首が痛い……)
目を覚ます麗美…




暗い部屋に一本の蝋燭の炎がゆらゆら揺れている、、

ー!!!?
「んんっ!ん!」

口を硬い布で覆われて、手足も縄で縛られていた…


ーバタッバタッ
脚をバタつかせて暴れる…



「……起きたんか?少し強くやりすぎたのぉ。痛むじゃろ?」
そこにはいつかのナンパ男…

ー!!!
「ん~!ん~!!」
睨み付ける麗美。

「まあ、そう睨むな…あんまり暴れんなよ、大事な取引の商品だからなぁ」
ツ~ッと首筋を指でなぞった…

(…!!…取引って…なに?…売られるの?…)


「お前、いい脇差し持っちょるな、桂辺りに買って貰ったんか?」
晋作に買って貰った脇差しは、男に取られていた。


(……どうして…桂さん達を脅す為?)


「暫くはここで大人しくしちょれ。高く売り付けんといけんからな。クククッ…」
男は立ち上がり、部屋を出て行った…


(ここは何処なの?…逃げなきゃ!)

身を捩らせ、縄から手足を抜こうとする…
きつく縛られた縄は硬く、肌に食い込み痛みが走る…。

諦めずに暫く暴れるも、体力ばかり奪われて行った…


夜が深まり蝋燭の火が消えた…






(……寒いよ……怖いよ栄太……帰りたい…)


「…ふ…んん…グスッ…んっ…」


暗闇に、麗美の小さな鳴き声だけがずっと響いていた、、、

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